どうも、タニアリと申します。
人は、過去の自分の発言にいつか刺されるものです。僕は以前、除湿機のレビュー記事で「洗濯物の乾燥はしません」とはっきり書きました。買ったのは衣類乾燥除湿機だというのに、です。

なのに先日、ふと気が向いて、その除湿機で洗濯物を乾かしてみたんですよ。そうしたら……これがもう、想像以上に速かった。あれだけ言い切っておいて、手のひらを返すことになるとは。今日はそんな、僕の小さな転向の話です。
もし今あなたが、浴室乾燥のなかなか乾かない遅さや、地味にかさむ電気代にうんざりしているなら——この話、たぶん役に立ちます。
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「部屋干しはしない」と言った僕が、なぜ急に乾かす気になったのか
そもそも僕がなぜ「乾燥はしない」と言っていたか。これは置き場所の問題なんです。うちの除湿機は、もっぱら寝室の湿気取り担当でして。一方、我が家で洗濯物を干す場所はいつだってお風呂場。なんてったって、現代技術の粋たる浴室乾燥がついていますからね。浴室乾燥の力をもってすれば、理屈の上では乾かぬ洗濯物など存在しないわけです。
じゃあなぜ除湿機の出番がなかったかというと、単純な話で。わざわざ10キロを超えるあの図体を、寝室からお風呂場まで運ぶんですか?と。いいや、運ぶはずがありません。乾燥は浴室乾燥に任せておけばいい——そういう住み分けが、僕の中で完全に出来上がっていたわけです。
いや、よく考えると変な話なんですよ。僕が買ったのはYAMAZENのYDC-H601という「衣類乾燥」除湿機です。名前に堂々と「衣類乾燥」と入っている。それを湿気取り専用機として飼い殺しにしていたわけで、メーカーからしたら「いや、乾かしてくれよ」という話ですよね。
きっかけは、本当にただの気まぐれでした。その日もいつものようにお風呂場へ洗濯物を干して、浴室乾燥のスイッチに手を伸ばしかけた。そのとき、ふと寝室で湿気取りをしている除湿機の存在が頭をよぎったんです。「……あいつ、お風呂場まで連れてきたらどうなるんだろう」と。運ぶのが面倒で敬遠していたはずの10キロを、その日はなぜか担ぐ気になった。それだけです。
折しも季節は梅雨。外に干せない日が続いて、お風呂場の物干し竿が洗濯物で渋滞気味でした。浴室乾燥を回しても乾きが甘い日があって、なんとなく家全体がじめっとする。その地味な手詰まり感も、僕の重い腰を上げさせた一因だったように思います。
過去の自分の発言なんて、まぁ気が向いたら裏切ってもいいでしょう。人は変わるんです。……というと大げさですが、要は面倒くさがりが、たまたま試してみただけです。
試した構成は、除湿機+扇風機+お風呂場の換気
やったことは単純です。お風呂場(うちはユニットバス)に洗濯物を干して、そこに三つを足しただけ。
- 衣類乾燥除湿機(YAMAZEN YDC-H601)
- 扇風機(日立 HEF-DC300)
- お風呂場の換気扇
本当は、メーカーの言うとおりにしたかったんです。YAMAZENの公式は「衣類乾燥除湿機+サーキュレーター」の併用を推していて、洗濯物の真下に除湿機を置き、真下から風を当てるのがコツだと書いている。水分は下に溜まっていくから、というわけですね。なるほど、理にかなっている。
……とはいえ、うちのお風呂は極狭です。床はなんだか濡れている気がするし、ドアの段差やパッキンを越えて、10キロの本体をよっこらしょと持ち上げて据えるのか。本当にそこまでする必要が? そうだね、多分あるね。とはいえ、教科書どおりの「真下」にきっちり置く、なんて余裕はありませんでした。
幸い今回は、洗濯物の量がそこまで多くなくて。浴室乾燥でも3〜4時間あれば乾くだろう、という程度の量でした。狭い空間で、扇風機と換気扇が湿った空気を無理やりかき混ぜつつ、除湿機が乾いた風を送り込む。真下とはいかなくても、これはこれで案外いいシステムになっているのでは……と、やりながら思っていたわけです。

ちなみに、うちの扇風機はサーキュレーターではありません。日立のHEF-DC300という、ごく普通のリビング扇です。公式はサーキュレーター推奨ですが、まぁ風を下から送れればいいんだろう、と勝手に解釈して扇風機で代用しました。この判断が正解だったかは、後でちゃんと触れます。
浴室乾燥より、びっくりするくらい速かった
で、結果です。これが本題なわけですが。
うちのユニットバスには浴室乾燥機がついていて、これまではそれに頼っていました。ただ、これがそんなに速くない。量が少なめの日でも、2時間回した時点ではまだ「あれ、生乾きだな……」という感触で、結局3〜4時間は回すことになる。量が多い日は、もっとです。電気代を気にしながらじっと待つ、あの時間がどうにも億劫でした。
ところが、です。同じくらいの量を、除湿機+扇風機+換気の組み合わせでやってみたら——2時間で、完璧に乾いていました。
いや、これには素直に驚きました。浴室乾燥で2時間かけてもまだ湿っていた量が、同じ2時間でからっと乾いている。触った瞬間「あ、これもう取り込めるやつだ」と分かる、あの感触です。手のひらを返した自分を、ちょっとだけ許せました。
生乾きって、地味に心を削るんですよ。浴室乾燥は上から温風が降ってくるので、洗濯物の上のほうはよく乾く。ところが裾とか、洗濯物の下側がいつまでも乾かない。乾いたと思って取り込んだら、シャツの裾がほんのり湿っていて「うわ」となる、あの小さな絶望です。組み合わせで乾かしたときは、それが無い。下から風を送り込むからでしょうね。取り込む前から、見ただけで「これは大丈夫なやつだ」と分かる乾き方でした。この安心感は、地味だけど大きい。
もちろん、これは干す量にもよると思います。今回試したのはそう多くない量ですし、洗濯物がぎゅうぎゅうに詰まっていれば、どんな方法でも時間はかかるでしょう。あくまで「この量で、こうだった」という一例として読んでください。それでも、浴室乾燥との差は誤差では片付けられないくらい、はっきりしていました。
ちなみにこの「約2時間」という数字、あながち僕の体感だけではないようで。YAMAZENの公式も、こんなことを言っています。
衣類乾燥時間は1回あたり約82分。1カ月あたりの電気代は、一般的な浴室乾燥機に比べおよそ83%削減できます。
株式会社山善 ニュースリリース — 衣類乾燥除湿機&DCサーキュレーターの新発売
約82分。僕の体感の2時間より、公式のほうがむしろ強気です。条件が違うので単純比較はできませんが、「速い」という方向性は、メーカーのお墨付きでもあったわけですね。
で、電気代はどうなのか。浴室乾燥の約1/5だった
速いのは分かった。でも、機械を三つも動かすんだから、電気代がかさむんじゃないの? と思いますよね。僕も思いました。なので、ざっくり計算してみます。
前提として、うちの浴室乾燥は電気式です。電気式の浴室乾燥機は、だいたい1,250Wくらい食うのが一般的とされています。電気料金を1kWhあたり31円として、2時間回すと……約78円。しかも、さっき書いたとおり2時間では乾ききらない。
一方、除湿機チームのほうはこうです。
- 除湿機 YDC-H601:185〜210W(2時間で約11〜13円)
- 扇風機 HEF-DC300:定格21W(2時間で約1円ちょっと)
- お風呂場の換気扇:20Wほど(2時間で約1円)
合計しても、2時間で15円前後。浴室乾燥の約78円に対して、ざっくり5分の1です。しかも向こうは乾ききっていないので、実際の差はもっと開く。速いうえに安いって、なかなかずるい話ですよね。
先ほどの公式の「電気代83%削減」も、要は浴室乾燥のだいたい6分の1ということですから、僕のどんぶり勘定ともそんなにズレていません。電気料金の単価は契約やお住まいで変わるので、あくまで目安として見てほしいですが……方向としては、間違いなく安く上がります。

サーキュレーターじゃなくて、扇風機でいいの?
さて、ここがちょっと気になっていた点です。公式が推しているのは「サーキュレーター」で、僕が使ったのはただの「扇風機」。これ、わざわざサーキュレーターを買い直したほうがいいんでしょうか。
電気代の面から言えば、ほとんど気にしなくていいというのが結論です。うちのHEF-DC300はDCモーターの扇風機で、定格21W。一般的なDCサーキュレーターも21〜25Wくらいなので、ほぼ互角なんですよ。むしろ昔ながらのACモーターのサーキュレーター(40〜50W)より、DC扇風機のほうが安かったりする。
ただ、送風の質は違います。サーキュレーターは風を一直線に、遠くまで集中して送るのが得意。扇風機はもっと広く、やわらかく拡散させる。だから理屈の上では、洗濯物の真下からピンポイントで風を送るならサーキュレーターに分があるはずです。
やったことといえば、扇風機の首を少し上に向けて、洗濯物の下半分に風があたるようにしただけ。難しい角度調整なんて何もしていません。それでもちゃんと乾いたわけですから、神経質になる必要はなさそうです。
でもね、その理屈の扇風機で、現に2時間で乾いてしまった。だったら僕としては「乾かすためだけに、わざわざサーキュレーターを買い足さなくてよかった」と言いたいわけです。家にDCの扇風機が転がっているなら、まずそれで試してみればいい。物足りなければそのとき考えればいいんじゃないでしょうか。道具は増やさないに越したことはないですからね。
とはいえ、じつは我が家にも山善のサーキュレーターが一台あります。普段はリビングで使っていて、今回の乾燥には登場していませんが……公式の言うとおりガチで最短を狙うなら、こういうDCサーキュレーターを洗濯物の真下に据えるのが本式ではあるわけです。「扇風機で十分派」と「せっかくなら本式で派」、どちらの人もいるでしょうから、記事の最後に両方ともリンクを置いておきます。

とはいえ、まだ分かっていないこともある
ここまで気持ちよく「速い・安い」と書いてきましたが、フェアじゃない部分もあるので、ちゃんと書いておきます。
僕が試したのは「除湿機+扇風機+換気」の三点セットでの結果です。じゃあ除湿機を単体で動かしたら、どこまで乾くのか。扇風機はどれだけ効いているのか。換気は要るのか要らないのか。……その切り分けは、まだやっていません。
なので「除湿機だけ買えば浴室乾燥より速いですよ」とは、今の僕には言い切れません。あくまで「この組み合わせなら速かった」という、ひとつの実例にすぎないわけです。このあたりは追々、気が向いたら検証してみたいところ。……また「気が向いたら」って言ってますね、僕。
ひとつ確かに言えるのは、今回の除湿機(YDC-H601)には首を振る機能がないこと。風の出口は一方向です。だから、あまりに大量の洗濯物を一気に乾かそうとすると、除湿機だけでは風が全体に回りきらないはず。扇風機で風をばらけさせたのが効いた可能性は、じゅうぶんあるわけです。やっぱり、組み合わせ前提で考えておくのが無難でしょうね。
「部屋干しはしない」は、撤回します
というわけで、過去の自分に告ぐ。「洗濯物の乾燥はしない」という発言は、撤回します。あれは間違いでした。衣類乾燥除湿機は、ちゃんと衣類を乾燥させるべきだった。
浴室乾燥がなかなか乾かなくてモヤモヤしている人、電気代が気になっている人は、もし家に除湿機と扇風機があるなら、一度お風呂場で組み合わせてみてください。たぶん、僕と同じように「えっ、こんなに違うの」と拍子抜けすると思います。
家に扇風機があるなら、まずはタダで試せます。無ければ、梅雨が本格化する前に揃えておいても、そう損はしないんじゃないでしょうか。新しく買い足すにしても、浴室乾燥を回し続けるより長い目では安く済むはずですし。梅雨どきの生乾き地獄から抜け出す手段として、わりと本気でおすすめできる……と、あれだけ「乾燥しない」と言っていた男が申しております。説得力、あるといいんですが。
使った道具と、組み合わせの候補

YAMAZEN 衣類乾燥除湿機 YDC-H601
¥16,800
参考価格(※2026-06-18時点)

日立 DCモーター リビング扇 HEF-DL300H(記事で使ったHEF-DC300の現行モデル・うちわ風DC扇風機)
¥16,980
参考価格(※2026-06-18時点)

山善 サーキュレーター YAR-TRD15E(上下左右首振り・入切Wタイマー/公式推奨の組み合わせ用。筆者は前モデルYAR-ND15Eをリビングで使用)
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