完璧なノート術なんていらない。「日付と箇条書き」だけで日記は自分だけの「人生攻略本」になる

体験談
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どうも、タニアリと申します。

突然ですが、スマホの通知音に追われ、動画アプリの無限スクロールに時間を吸い取られ、「今日も一日、何をやっていたんだろう……」と虚無感に襲われること、ありますね?この虚無に襲われたことが一度もない貴方、その生き方をどうか貫いてください。

終わらないスクロール、SNSによる煌びやかな世界と監視はデジタル疲れとも言われるように、確実に心身を蝕んでいるのです。そんな現代特有の流行病から逃れるために、巷で流行りの「バレットジャーナル」やその他の手帳術に手を出してみたものの、細かなルールやセットアップのめんどくささに阻まれ、3日と持たずに挫折した経験はないでしょうか。

何を隠そう、私もその挫折者の一人です。

本記事では、そんなめんどくさがり屋のあなた(と私)に向けて、完璧さを100%ゴミ箱に投げ捨て、「日付と箇条書き」だけで日常を少しだけ生きやすくする超イージーな手書きノート術をご紹介します。

あえて不便な手書きを選ぶことで、日記が自分だけの「人生の攻略本」に育っていくプロセスを、私の泥臭い体験談と科学的根拠を交えて語ってみたいと思います。

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バレットジャーナルは「人生を変える道具」という話

そもそも、アナログの手帳やノートというのは、まるでタピオカの如く、時代を超えて何度も甦るサイクルがありますよね。

システム手帳からほぼ日手帳、昨今のライフログブームまで、デジタル全盛の今だからこそ、あえて紙とペンを持つスタイルが注目されています。

世の経営者やアーティストが、紙のメモやナプキンへの書き殴りからアイデアを生み出したという話も、本当に枚挙にいとまがありません。

直近のブーム牽引役はなんといっても、欧米から上陸してベストセラーとなった「バレットジャーナル 人生を変えるノート術」という本です。

この本が提唱する本質は、実のところ非常にシンプルで、「次の動画」や「無限スクロール」といったデジタル社会の『時間搾取の構造』からいい加減に覚醒めなさい、ということなんですよね。(個人の感想です)

世界トップレベルの秀才たちが我々の集中力を奪うために設計したアルゴリズムに、個人のちっぽけな意志で対抗できるわけがありません。

だからこそ、「そもそもデジタルに触れない物理的な壁を作る」という、ある種の逆ギレ的なアプローチが必要になってくるわけです。

本書では「ノートは綺麗に書かなくていい. どうせ自分しか見ないのだから」と語っています。

綺麗に書こうという雑念を捨てるために、時には左手で書くページがあってもいいとすら言っている。乱暴な方法である。

これは余談なんですけど、このノート術が世界に広まった……というか、みんなにシェアせねば、となったキッカケが冒頭で語られてるんですよね。

著者が自分の仕事を紹介してくれた多忙な恩人を見かねて、「僕はこんなふうにノートでタスク管理をしているよ」と親切で見せるシーン。自分を曝け出すようで恥ずかしいと書いてありましたが、そうでしょうね、ノートなんか学校のノート提出以来人に見せないもん。

バレットジャーナル躍進の歴史は、「誰にも見せなくていいはずのノートを、他人に見せたこと」からスタートしているので、本当に人生を変えるのは、己をコンテンツにする時なのかもしれません。

さて、動画サイトでよく見る「キラキラしたデコ手帳」や「可愛いイラスト満載のノート」は、キャロル氏の提唱する無骨な本質からは少し遠いかもしれません。

基本、ノート術はどこまで行ってもただの道具。手帳を可愛く飾ることで人生が豊かになるなら、それはそれで最高のカスタマイズだと思うんですよ。

脳科学が語る「タイピング=ただの写経、手書き=自分用チート」の真実

それにしても、現代において「わざわざ不便な手書きを選ぶ理由」とは何なのでしょうか。

キーボードで文字を打つ方が圧倒的に速いし、データの保存や検索もしやすいのは百も承知です。

しかし、脳科学の世界では、手書きが脳にいかに大きなメリットをもたらすかが明確に証明されています。

よく引き合いに出されるのが、2014年の「The Pen Is Mightier Than the Keyboard(ペンはキーボードより強い)」という有名な論文です。

The Pen Is Mightier Than the Keyboard: Advantages of Longhand Over Laptop Note Taking

Pam A. Mueller, Daniel M. Oppenheimer (2014) — ResearchGate

この研究では、ノートPCでメモを取る学生と、手書きでメモを取る学生の学習効果を比較したのですが、PCを使う学生は講義の内容を「そのまま一言一句タイピングして書き写す」だけの傾向が強かった。

耳から入った情報を脳で咀嚼せず、ただ指先の作業として通過させていただけだったわけです。

一方で、手書きの学生はタイピングほど素早く書けません。

だからこそ、「入ってきた情報を自分の頭で咀嚼し、要約して再構成する」という高度な処理を強制的に行っていた。

この手書き特有の「遅さ」という不便さ(=摩擦)が、結果として学習内容の理解や記憶の定着において、強力なチートシステムとして働いていたわけなんですよね。

さらに、2024年に発表された高密度脳波(EEG)を用いた新しい研究でも、同様に手書きすることによる脳の活性化に寄与していることを示しています。

Handwriting but not typewriting leads to widespread brain connectivity: a high-density EEG study with implications for the classroom

F. R. (Ruud) van der Weel, Audrey L. H. van der Meer (2024) — Frontiers in Psychology

ペンを使って文字を書くときの「正確に制御された指先の複雑な動き」が、脳の感覚運動野や頭頂野といった広範な領域のネットワーク接続を著しく活性化させているとのこと。

この「ペンを使う」という動きは、紙のノートだけでなく、iPadなどにスタイラスペンで手書きする場合でも同様に脳を刺激するそうです。

大人になると能動的に文字を書く機会は激減しますから、この脳活効果だけでも、アナログノートを手にする価値は十分にあるのではないでしょうか。

手書きノートのイメージ1

バレットジャーナル、始めるの難しいってよ

科学的な根拠もバッチリ。「これはやるしかない!」と意気込んでバレットジャーナルの本を読んだ私ですが、冒頭で申し上げた通り、最初のセットアップという「チュートリアルのボス」にボコボコにされる。

「思考の目録」で頭のなかを棚卸しする

ライダー・キャロル『バレットジャーナル 人生を変えるノート術』Kindle版 63/410ページ

頭の中にあるタスクや欲望をすべて紙に書き出す初期設定をどうやら行う必要があるらしいのです。

「取り掛かり中」「やるべきこと」「やりたいこと」を仕分けて紙に書き出し、本当に必要なもの以外は捨ててしまう。そして集中して取り組むタスクだけをノートに移していくのだといいます。

すーーーごく面倒くさい。

もう、小売業界を経験した者からすれば「棚卸し」という単語がもう嫌。それに私はどちらかといえば「キラキラしたデコ手帳」や「可愛いイラスト満載のノート」派なんですよね。ノートはあくまで一次情報を積み上げていくだけの雑多で整理されでない場所であればよいのです。ただノートを作るのに、なんかこんまりみたいな仕分けをしなければならないという絶望に、始まる前から片膝を地面につける私。ただ、これは恐らく必須じゃないんです。あくまでノートを作るための前段であり、数々のバレットジャーナル系動画を見ても、これを作るところからスタートしてるのはほとんどないと言っていいです。(キラキラ可愛い系がリコメンドされているだけの可能性はある)

しかし立ち塞がるのはそれだけじゃない。ノートの全ページにちまちまと手書きでページ番号を振り、それをノート冒頭の「インデックス(目次)」ページに書き写してリンクさせろという。

もう片膝も地面につく。土の味がする、どうやらこれが挫折というやつらしい……。ノート1冊書き始めるのに儀式が多すぎる。剣舞で積むより、お祈り破壊光線ぶっぱが好きなんだ。

完璧なバレットジャーナルは、私のようなめんどくさがりには到底使いこなせない代物だったわけです。使いこなすというか、始まりもしなかった。

手書きノートのイメージ2

しかし、そんな落ちこぼれの私でも使える、最もハードルの低い機能が残されていました。それが「デイリーログ」です。

事前の複雑なセットアップは一切不要。ノートを開き、ただ一番上に「日付を書く」だけ。日本語訳したら、ただの「日記」です。

その日起きたことやタスクやメモしたいことを、箇条書きの短文で雑多に殴り書きする。

何を書いてもいいんです。例え無意味な"とんでもなく眠い"であっても……。
何を書いてもいいんです。例え無意味な”とんでもなく眠い”であっても……。

「とりあえず、日付を書くところだけ真似しよう」と緩く始めてみたのですが……これが不思議なほどに長続きしたんですよ。

日記は、将来の自分に向けた「人生の攻略本」である

このアナログノート、日記、ジャーナルのキーワードの界隈には「書くだけで夢が叶う!」「書くだけで人生が思い通りになる!」みたいな謳い文句を引っ提げた書籍や動画がたくさんあります。

非常に残念ですが、いかに高度に練り上げられたノート術を使っても、ノートに書いて夢が叶うことは決してないです。もし叶うことがあれば、それはノートではなく努力や才能や運や時勢などの要因によるものであり、「ノートを書いていたから」ではない。あるいは、ライダーキャロル氏はノートを書いていたからバレットジャーナルで一儲けできた可能性はありますが、それこそ「高度に練り上げられたノート術を持ち、広く発信し、みんなにウケたから」であって、ノートを書いていたことは本質ではないのです。

かといって、日記をつけることは一般的に言われる効果しかないのかといえばそんなことはないと思っています。当然、今回の参考図書内でも、「デイリーログ」については以下のように語られています。

デイリーログは、いつだってあなたの発想を歓迎する。あなたは頭にひらめいたことを、いつでも自由に書き留められる。内容のよしあしを判断する必要などない。 いずれデイリーログの内容は、そのときのあなたの状態を示す記録となり、「振り返り」の際に役に立つ。多忙な生活のなかで忘れがちな物事の前後関係がわかるからだ。そうした背景が把握できれば、熟慮したうえで行動を起こせるようになる。

ライダー・キャロル『バレットジャーナル 人生を変えるノート術』Kindle版 129/410ページ

体験したことだけではなくて、考えたことや思いついたこと、日々の疑問やらをなんでも書いちゃう。そしてそれを振り返るタイミングを持てば、自分の人生の歩み方がノートから少しずつ見えてくる。

例えば、生活や仕事で何らかの不具合が起きた際、「どうやって解決したか」「結果どうなったか」をその日のログに泥臭く書き残しておく。

すると、将来まったく同じトラブルに直面したとき、ノートを見返すだけで瞬時に「解決ルート」を横展開できるわけです。

実際、私もこのノートのおかげで先日、奥さんから言われた、何気ない、しかし極めて重要な「一言」を、その日のログに書き留めておきました。パラパラとページを戻る度に目に映るそのひと言は、確実に脳内にインプットされていく。

おかげで、発生しかけた「不毛で虚無を産む夫婦喧嘩」を、「以前同じケースの際にはこのように申されておりましたので、今回も同様の対応といたしました。」で、見事に未然に回避することができました。ただし、機嫌は損ねられた模様。ですが、ノートに書いてあるだけで、なんとも致命傷だけで済むのですから、安いものだと思いませんか。

これ余談なんですが、この「日々の出来事や対策をメモする」という感覚、子供の頃、自由帳に大真面目に書いていた「ポケモンの攻略本」の感覚に酷似している。ニュアンスは異なれ、みんなやるでしょ、こういうことを。

当時の少年は初代の『ポケットモンスター緑』を大いに楽しんでいました。ノートに「戦ったトレーナーのポケモン」「自分が繰り出したポケモン」「使った技と使われた技」を、恐らく事細かに記録していたはずなんですよね。

当時は「世界に一つだけの自作攻略本を作っている」と宿題そっちのけでゲームボーイとノートを行き来。すり減る鉛筆と消費されるノートには中身を知らない親はニッコリ。

肝心の攻略情報は、「バブルこうせんで一撃」「バブルこうせんでワンパン」みたいな、ただのゼニガメ無双プレイ日記だったので、時間が有り余るかつ進み方の作法を分かってない子どもならではのプレイであったと思います。

ただ、「自分が遊んだプロセスを書き残し、次の周回に活かす」という本質においては、子供の頃のポケモンも大人の日記も、全く同じ構造なんですよね。

日記をつけるということは、過去や現在に自分が遭遇したモンスター(日常のトラブルやライフイベント)の弱点や疑問を収集し、自分だけの「人生のヒント集」「人生の攻略本」を書き進めていることに他ならないわけです。

完璧なノートを目指す必要はないから、とりあえず日付だけでも

世の中のノート術の本を開くと、どれも整然としていて美しく、知的に見えます。

だから「自分には無理だ」と気後れしてしまいがちですが、そんな高尚なやり方のすべてを真似する必要はきっとない。もちろん体系的にノートを活用するなら必要不可欠であることも多いと思いますが、書いた内容をまとめるのは、今はAIでもできてしまうんですよね。アナログノートは後からデジタル化するハードルが極めて低いのもよいところです。逆は必要性はともかく、エライしんどい。

「デイリーログ」なら今日の日付を書いて、その下に「今日は疲れた」「プリンを食べた」「あの手続きが面倒くさかった」と殴り書きするだけで、それはすでに立派な日記であり、攻略本の第一歩になります。書けない日があってもいい。ページを空けたりしなくていいから、紙面は常にみっちりしていて満足感も得られやすいです。

無印のA6フラットに開くノート。
無印のA6フラットに開くノート。

もし手元に余っているノートや、使っていないペンがあるなら、とりあえず机の上に引っ張り出してみてはいかがでしょうか。

というわけで、今回の記事はここまで。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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