385円のメモ帳が、僕のタスク管理を一番続けさせてくれた話

生活
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どうも、タニアリと申します。

今日は、僕が1年以上も手放せずにいる385円のメモ帳の話をさせてください。コクヨのソフトリングドット A7、という商品です。お値段、¥385。

正直に白状すると、僕はデジタルのタスク管理に何度も挫折してきた人間です。アプリを入れては通知に追われ、入れ直してはまた放置し……。「これさえ使えば人生が整う」みたいなツールを、いったい何個墓場に送ってきたことか。そんな僕が、タスク管理の主役をこの手の紙のメモに移してからは、もう1年以上も続いているんですよ。これがどうにも不思議で。

誤解のないように先に言っておくと、僕はデジタル否定派ではありません。むしろ普段はスマホもPCもべったり使う側の人間です。それでもタスクの管理だけは、最終的にこの紙の束に戻ってきてしまった。デジタルとアナログのどっちが上、という単純な話ではないんですよね。「何に、何を使うか」という棲み分けの問題だったというのが、この紙のメモを続けるうちにようやく腑に落ちた結論でして。

今日はその「なぜ続いたのか」を、ちょっと真面目に棚卸ししてみたいと思います。アナログ派の方も、デジタル一本でやってきた方も、よかったらお付き合いください。

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385円のメモ帳を、タスク管理”専用”にしてみた

まず断っておくと、僕はこのメモ帳を「メモ帳」として使っていません。

使い道はただ一つ、ToDo・タスク管理の専用機です。仕事用のカバンに放り込んであって、出社日もリモートの日も関係なく、業務中はデスクの上にずっと鎮座している。隣にボールペンと蛍光ペンを1本ずつ添えて。もはや僕の作業環境の一部というか、置物に近い存在感すらあります。

コクヨ ソフトリング メモ A7(シルバー)の表紙。SOFT RING 80・105×76mm・6mmドット罫の表記

ちなみにこの手のメモ、今使っているので3冊目です。気がつけば結構な付き合いになっていました。

サイズはA7。手のひらにすっぽり収まる小ささです。これがまた絶妙で、仕事カバンに放り込んでもかさばらないし、その気になればポケットにも入る。持ち歩くことに対するハードルが、限りなくゼロに近いわけです。タスク管理ツールって、結局「いつでもそこにある」かどうかが生命線だと思っていて。その点、このサイズはずるい。どこにでも連れていけてしまう。

「タスク管理なんてアプリでいいじゃん」と思いますよね。僕もそう思っていた側の人間なので、よく分かります。でも、385円の紙の束をデスクに置いてみたら、これがどうにも手に馴染んでしまって。アプリだと続かなかったものが、なぜか続く。その理由を、ここから順番にほどいていきます。

ソフトリングのリングは、手に当たる。けど気にならない

製品レビューらしいことも書いておきます。ソフトリングという名前のとおり、このメモ帳の綴じ具は柔らかいリングでできているんですよ。

先に正直なところを言っておくと、ソフトリングだからといって、書くときにリングが手に当たらないわけではありません。当たります。普通に当たる。ただ、リングが柔らかいので、当たっても気にならないんです。ここが大事なところで。金属リングのノートって、書いている手の側面にゴリッと食い込んでくるあの不快感があるじゃないですか。あれが、ない。物理的には触れているのに、ストレスにならない。これがソフトリング最大のウリだと思っています。

ひとつ補足を。僕はこのメモ、横向きにして使っています。もともとはリングが上にくる「天綴じ」のメモなんですが、それを横に倒して、リングが脇にくる向きで書いているんです。あとで出てくる使用中の写真も、その横向きですね。なので、ここから先の「右の紙面」だの「左のページ」だのという話は、その横使いを前提に読んでください。

で、そもそも僕、リングノートを使うときは「右の紙面しか使わない」と心に決めている人間なんですよ。左のページだとリングが手に当たって書きづらいので。でもこれ、紙を半分しか使っていないわけで、我ながらすごい勿体ない使い方なんですよね……。

ところがソフトリングは、後ろにくるっと折り返してコンパクトにできる。しかも柔らかいから、折り返した側のページでも普通に書ける。つまり右だ左だと気にせず、両面ちゃんと使えるわけです。ケチな僕の罪悪感が、これで成仏しました。

しかもA7という小さいサイズだと、「リングが当たらない場所を選んで書く」なんていう逃げが、そもそも効かないんですよ。紙面が小さいんだから、当たる場所にも書くしかない。だからこそ、当たっても痛くないソフトリングの恩恵がモロに効いてくる。サイズと綴じ具の相性、という意味でもA7とソフトリングはよく噛み合っていると思います。

表紙はそこまで硬くないので、基本はデスクで書くタイプのメモです。測量野帳やRHODIAのような立ち書き前提のメモではありませんが、タスクくらいなら字の綺麗さも要らないので、立ったままでも殴り書きはできます。

正直に弱点も書いておくと、A7はやっぱり小さいです。ちゃんとしたメモ帳やノートとして使うには、小さすぎる。手帳的に何かをしっかり書き留めたいなら、せめてA6はないと厳しいと思います。なので僕、実はA6のメモ帳も別に持っているんですよ。……ところがこっちは、あんまり出番がない。結局よく使うのは、タスク専用にしたこのA7のほうで。「ちゃんと書ける大きいの」より「雑に書ける小さいの」のほうが、僕の場合は手に取る回数が圧倒的に多いんですよね。道具って、性能の高さより、手の伸ばしやすさで選ばれるところがある気がします。

書き分けルールは作らない。とにかく書くだけ

使い方の話をします。といっても、大した工夫はしていません。むしろ「工夫しないこと」が僕のルールです。

その場ですぐ片付くタスクは、やって終わり。少し時間がかかるものや、後回しにするものだけを、優先順位も緊急度も気にせず、とにかく上から順にどんどん書いていきます。「重要度A・緊急度B」みたいな書き分けルールは、一切作りません。

なぜかというと、ルールを作ると、そのルールを思い出すのがまず面倒なんですよ。しかも書き間違えたときに地味にストレスが溜まる。せっかくサッと書くためのメモなのに、書く瞬間にいちいち「これはAだっけBだっけ」と考えるのは、もうそれ自体がノイズなわけです。だから全部捨てました。とにかく書く。それだけ。

唯一のささやかな区別は、チェックボックスの形だけです。仕事のタスクは四角いボックス、プライベートな用事は丸。書き分けというより、形がちょっと違うだけ。使っているペンは、ゼブラのbLen。ジェットストリームも持っているんですが、僕はbLenのほうが好きなんですよね。ジェットストリームがぬるっと滑らかに出てくるのに対して、bLenはカリッと硬めの書き味で。この手応えのあるカリカリ感が、個人的には好みなんです。

ソフトリングメモA7と、愛用のゼブラ bLen(黒ボールペン)・マイルドライナー(蛍光ペン)

翌日に持ち越すタスクだけは、蛍光ペンでサッと目立たせておきます。そうすると次の日ページを開いたときに「あ、これ昨日できなかったやつだ」と一目で分かる。で、実行できたらチェックボックスにチェックを入れて、上から打消し線でスーッと消す。この「消す」瞬間が、地味に気持ちいいんですよ。後で詳しく語りますけど。

ソフトリングメモA7を開き、日付ごとにToDoを書いて完了タスクを打消し線で消した実際のページ

ちなみに僕、仕事中にふと「うわ、ごみ袋買って帰らないといけなかったわ」みたいな、完全に私用の用事を思い出すことがあるんですよ。これも遠慮なく書いちゃいます。さすがにそれは丸ボックスで。買い物メモなんてスーパーのレジ前で見返すわけじゃないんですが、1日に何回も目に入る場所に書いてあるので、自然と頭に残るんですよね。これが意外とあなどれない。

完了に線を引くと、なぜか自己肯定感が湧く

さて、ここが本題かもしれません。「なぜ続くのか」の核心です。

ToDoやタスクって、1件あたりの文章がそんなに長くならないんですよ。「○○さんに連絡」「資料の修正」「ごみ袋」みたいに、ほとんど一行で済む。だからA7という小さいサイズでも、無理なく書き込めるわけです。長文メモには絶対に向きませんが、タスクなら紙面が小さくても困らない。

で、ここからが面白いところで。1ページに書ける項目数も、自然と少なくなるんですよね。A6やA5みたいな大きいメモだと、1ページにびっしり書けてしまう。でもA7はそもそも紙面が小さいので、たかが知れている。すると何が起きるか。完了した項目を打消し線で消していくと、ページ全体に対して「消えた割合」がやたら高く見えるんです。

5個のタスクのうち4個消えたページって、なんだか「今日めちゃくちゃ頑張ったな自分」という気分になりませんか。これが20個書ける大きなページだと、4個消したところで焼け石に水で、むしろ「まだ16個も残ってる……」と絶望するわけです。A7の小ささが、達成感を水増ししてくれている。自己肯定感を、コスパよく供給してくれる装置とも言えます。385円で。安すぎる。

A7とA4のToDoリスト比較図。A7は小さくても全項目を消せて達成感、A4は項目が多く終わりが見えない

そうやって書いては消し、書いては消しを繰り返していくと、メモ帳はやがて使い切ります。3冊目を使っている今、過去に使い切った2冊を振り返ると「いろんなことを、たくさんやったんだなぁ」という、しみじみした気持ちにさせてくれるんですよ。

面白いのは、書きためたものが「積み重なって目に見える」こと自体に、ちゃんと充実感があるんですよ。アプリでタスクを完了にすると、その項目はスッと消えて視界から無くなる。それはそれで気持ちいいんですが、後に何も残らない。紙の場合は、消し込んだ打消し線ごと、やったことの痕跡がそのまま冊子に積もっていく。この「手元に物理的に残っていく」感覚は、デジタルにはないアナログ特有のごほうびだなと思います。

……とはいえ、です。過去に消したタスクの履歴が、僕の未来を切り開いてくれるわけでもないんですよね。あれだけ「積み重なるのが嬉しい」と言っておきながら、結局、一通り眺めて満足したら即、廃棄します。我ながら薄情なものですが、タスクなんてそういうもので。残しておいても見返さないことは、自分が一番よく知っている。やり遂げた事実だけ味わって、あとはサヨナラ。その潔さも込みで、僕はこのメモ帳が気に入っているのかもしれません。

紙のタスク管理が続くのは、根性じゃなくて環境のせい

もう少しだけ、アナログでタスク管理を続けることについて、真面目に論じさせてください。

僕が思うに、紙のタスク管理が続く一番の理由は、本人の根性とか意志の強さじゃないんですよ。環境に左右されにくいからです。これに尽きる。

考えてみてください。世の中の多くの人は、雇われて働いています。そして職場に自分のデジタル環境を自由に持ち込んで使える人って、実はそんなに多くないんですよ。会社支給のPCはガチガチに制限されているし、私物のスマホやタブレットを業務で使おうとすれば申請が要ったりする。なんなら私物はロッカーに預けて持ち込み禁止、という職場だってあるでしょう。

そんな環境でも、ほぼ確実に許されているもの。それが紙とペンなんです。これを禁止している職場って、ちょっと想像つかないですよね。つまり紙のタスク管理は、転職しようが部署が変わろうが、この「いつでも使える」という性質が失われない。アプリは会社が変われば使えなくなるかもしれないけど、紙とペンは一生どこでも使える。これって、地味にものすごく強い。

そしてもう一つ、これは効能の話なんですが。手で書くのって、面倒くさいし遅いんですよ。当たり前ですけど。でも、その面倒くささが効くんです。遅いからこそ、少しでも短く書こうとする。「あの件、先方に確認の電話」じゃなくて「○○電話」みたいに、極限まで要約しようとするわけです。で、この要約する過程で、そのタスクが頭に残りやすくなる。

もちろん、記録さえしておけば今は忘れていいタイプのタスクもあります。全部覚えておく必要はない。でも、頭の中にちゃんと入っているタスクで仕事を回していくのが、結局いちばん効率がいいと僕は思っていて。紙に書くという行為は、それに限りなく近づけてくれるツールなんですよね。書きながら、勝手に覚えている。

メモはデジタルが上。でもタスクは紙が勝つ

ここまでアナログを散々持ち上げてきましたが、勘違いしないでほしいことがあります。僕は別に「アナログ最高、デジタルはダメ」と言いたいわけじゃないんです。むしろ逆で。

“メモ”に関しては、デジタルのほうが圧倒的に優れていると思っています。

パソコンを使っているなら、長文のメモはキーボードで打ったほうが速くて確実です。音声入力を使えばもっと速い。AIに放り込めば要約も誤字脱字の修正もやってくれる。そして何より、後から検索できる。メモって「後で見返せること」が命じゃないですか。その検索のしやすさだけで、デジタルはアナログに完勝してしまう。だからメモ自体をアナログで取ることに、僕はもう勝ち目をあまり感じていません。

ところがタスクは話が別なんですよ。タスクって、今その瞬間の状況を把握するためのものでしかない。完了してしまえば、もう見返す必要がない。さっきも言ったとおり、満足したら即廃棄するくらいですから。だったら検索性なんてどうでもよくて、大事なのは「思いついた瞬間に、ノータイムで書ける」ことだけ。このスピード勝負だと、少なくとも僕の環境では、紙とペンにデジタルは勝てないんです。

結局、タスクは思いついた瞬間に書けるかどうかがすべてなんですよ。スマホを取り出してアプリを開いて……とやっているより、手元の紙にサッと一行走らせるほうが速い。この即時性こそが、タスクにおいて紙がデジタルに勝つ、たったひとつの、でも決定的な理由なわけです。

じゃあデジタルのタスク管理を全くしていないかというと、そうでもなくて。仕事のデジタルなタスクは、Windowsの付箋アプリ「Microsoft Sticky Notes」にペタペタ貼っています。PCの画面に常駐させておけるやつですね。プライベートのほうは、予定はGoogle カレンダー、こまごましたメモやリストはGoogle Keep。このあたりは家族とも共有できるので、紙のメモとは役割が完全に分かれています。

そういえばアナログのメモ帳って、もう一つ用途があって。僕の場合は「頭の中の棚卸し」に使うんですよ。とりとめのない考えを、とにかくワーッと紙に書き出す。あれです。キーボードだと、頭の中の言葉と手の動きが一致しないせいか、無意識に変な整形をしてしまうんですよね。きれいな文章にしようとしてしまう。その点、手書きは思考のスピードに近い。音声入力ならもっといいんですが、職場でブツブツ独り言を喋るのは……まだ、ちょっと恥ずかしいので。音声入力が当たり前になる日まで、僕はもう少し紙に書きなぐっていようと思います。

しかも今は、紙に書いたものを残したくなったら、スマホで写真を撮ればそれで済む時代です。アナログメモは、その気になればいつでも簡単にデジタル化できる。だから「紙に書く」ことと「デジタルに集める」ことは、別に対立しないんですよね。入り口は手書きの紙、保管はデジタル、という流れがすんなり作れてしまう。そう考えると、わざわざ最初からデジタルで頑張らなくても、まず紙に書きなぐってから必要な分だけ吸い上げればいいじゃないか、と。アナログとデジタルは、敵同士じゃなくて分業相手なんです。

とりあえず、4冊目もこれにします

385円のメモ帳の話を、ずいぶん長々と語ってしまいました。

結局のところ、高機能なアプリでも立派な手帳でもなく、このA7のソフトリングが僕のタスク管理を一番長く続けさせてくれている。理由は、紙だから環境に左右されず続けやすくて、小さいから完了が目に見えて、消すたびにちょっと自己肯定感が湧くから。それだけのことなんですけど、この「それだけ」が、なかなか他では替えがきかないんですよね。

デジタルのタスク管理に疲れてしまった方、達成感のあるやり方を探している方は、一度385円を試してみる価値はあると思います。失敗しても385円ですし。アプリの有料プランを契約して放置するより、よっぽど安い授業料です。気になった方のために、商品リンクはこの記事の下に置いておきますね。

僕はというと、3冊目がそろそろ終わりに近づいてきました。とりあえず、4冊目もこれにします。あの「消す瞬間の気持ちよさ」を、もうしばらく味わっていたいので。皆さんもいかがでしょうか。

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