電車での充電が自粛される時代に。乾電池式「BH-BZ40」はお守りになるか?

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どうも、タニアリと申します。

「モバイルバッテリー」の爆発を皆さんはご存知でしょうか。

スマホをヘビーに使う現代人にとって、モバイルバッテリーが第二の相棒になっているという人もいるでしょう。しかし、最近になって改めてリチウムイオンバッテリーの発火や爆発のニュースを見聞きする。ネットをちょろっと検索すれば恐ろしい映像がゴロゴロ転がっている。

もしこれが自分のリュックの中で起きたら……と考えたとき、もしかしたら僕は「爆弾を持ち歩いているのでは」という恐怖すら覚えます。厳正な審査で選別された結果であるのかもしれません。

それもあって、最近は安全対策でモバイルバッテリーの持ち込み規制や利用制限がやたらと厳しくなっていますよね。飛行機に乗るときに預け入れ荷物に入れられないのは有名ですが、ついに身近な電車内でも使用自粛を求める動きが出てきました。どうしてこうも我々の生活に利便性をもたらすものは、時々我々に牙を向くのか。

そこで、私が「これなら爆発しないし、規制もスルーできるのでは?」と目をつけて購入したのが、乾電池を使ってスマホを充電できるパナソニックの「BH-BZ40」です。

もちろん、充電速度が遅いことくらいは最初から分かっていました。でも、実際に使ってみると、そこには想像以上の「乾電池アルカリ仕様」という名の現実が待っていたわけなんですが……。

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電車内でも使用自粛へ。厳しくなるモバイルバッテリー規制のリアル

そもそも、なぜ今になって乾電池式なのか。それは、先述の通りでリチウムイオンバッテリーを取り巻く環境が急激に厳しくなっているからです。

この事故を受けて、東急電鉄は3日後の6月18日に最新の注意喚起をリリースしました。車内でのモバイルバッテリーの使用を控えるよう呼びかけるだけでなく、なんと有料座席「Q SEAT」などに設置されている車内コンセントを使ってモバイルバッテリー本体を充電することも控えてほしい、とアナウンスされたのです。

近年、車内においてモバイルバッテリーによる充電中の発火が発生しています。
お客様の安全のため、車内でのモバイルバッテリーの使用は、お控えいただきますようお願い申し上げます。

東急電鉄「車内でのモバイルバッテリーの使用に関するお願い」 より引用

持ち込み自体が禁止されたわけではないですが、実質的に「電車内での使用自粛要請」です。これから他の鉄道会社にもこの動きが広がるかもしれません。

ちなみに、東急(に限らないですが)の駅構内には「充レン」などのレンタルサービスが結構配備されているので、「スマホの充電は駅でレンタルして、車内では使うな」というのが今後のルールというかマナーというかトレンドになっていくのでしょう。

……いや、じゃあいつどこで返すの?って話ではある。乗り込む駅で借りて、移動中に充電して、目的地駅で返す、を想定利用方法にしてるはずなんですよね。なのでこの自粛要請はあまりにも無茶な要求のような気もします。だからといって鉄道会社にできることは自粛を呼びかけるくらいしかないのもそうで、モバイルバッテリーを利用する我々が正しいリテラシーを持たなければならないわけです。

そうなると、普段から巨大なモバイルバッテリーを持ち歩くこと自体が、なんだかリスクを抱えているように感じてしまいます。最近では安全性の高い新技術も出てきてはいますが、規制や不安の波を完全にスルーできるのが、今回紹介する「乾電池式」なわけです。

リチウムを含まない乾電池なら、単体での爆発リスクは物理的にほぼゼロですし、飛行機の預け入れ荷物にも普通に放り込めますからね。真の安全性が乾電池に宿っているかもしれないじゃない。

パナソニック「BH-BZ40」の佇まいと基本スペックを確認する

前置きが長くなりましたが、さっそく「BH-BZ40」をじっくり見てみましょう。

パナソニック BH-BZ40 パッケージと本体の外観

箱から取り出して最初に思ったのは、「かるっ!」という驚きと、それと同時に押し寄せる「安っぽさ」でした。

電池を入れない状態の本体は、中身が空洞なんじゃないかと思うほど軽いです。素材がかなり肉薄のプラスチックでできています。バリなどが気になる安っぽさではないんですが、「モバイル充電器」という響きから想定されるような質感ではないですね。

構造も極めてシンプルです。電池を入れる部分のカバー(蓋)があるんですが、これがスライドすると「完全にカパッと取れる」仕様になっています。爪で引っかかっているだけなので、最悪この蓋を紛失しても、電池さえ固定できれば動作はするでしょう。蓋がなくても一応動くのは、緊急用としては逆に潔よさそう。

本体から蓋が完全に取り外せる構造

で、単3形乾電池を4本入れて準備完了。なんて簡単。電池を入れると一気にずっしりとした重さになります。

【充電テスト実測】8時間粘って27%?アルカリ乾電池による充電具合をみる

さて、いよいよ本題の充電テストです。今回は、手軽に入手できる「Amazonベーシック」のアルカリ乾電池を4本使用して、スマートフォンのバッテリー残量「27%」の状態から充電を開始しました。(付属の“EVOLTA NEO”は高くていいヤツだから保管に回したぞ!Amazonベーシックの倍〜3倍くらいするぞ!)

Amazonベーシック乾電池を装填した充電テストの様子

ちなみに、私が普段デスクやカバンの中で構築しているUSB-Cシリコンケーブルなどの快適な充電環境については過去の記事でも触れていますが、流石に5W充電は時が止まっているかのような遅さ。おもちゃについてくるUSBケーブルを間違えて使っちゃいました☆みたいな遅さ。これが令和の充電速度として許容されて良いの?という遅さ。

普段使っている65Wの急速充電器なら、40〜50分もあれば満充電近くまで回復するのですが、本機は最大出力5W。当然ながら超低速充電になります。画面に「低速充電中」と表示されつつ、とりあえず10分が経過したところで「30%(+3%)」に。よしよし、ちゃんと動いているなと安心したわけです。

開始から2時間が経過した時点で、スマホの画面は「45%(+18%)」を示していました。恐ろしく遅いんですけど、一応充電はされている。計算上は供給電力が無限であれば5時間で満充電。日産の電気自動車でも充電してんの?しかし、ここから乾電池ならではの「洗礼」を受けることになります。

3時間50分が経過した時点で、残量は「51%(+24%)」に。明らかにペースが落ちています。以降は目視ではなくデータ上なんですが、最終的に8時間経過に至るまで充電状態が継続しており、バッテリー残量は「54%」で頭打ちになりました。つまり、8時間粘って充電できたのは、たったの「+27%」でした。

経過時間 バッテリー残量 備考・状態
スタート 27% 充電開始
10分経過 30% (+3%) 低速だが動き出す
2時間経過 45% (+18%) ここまでは順調
3時間50分経過 51% (+24%) 速度が極端に落ちる
最終(8時間) 54% (+27%) 後半はほぼ充電されず終了

実際にその時のスマホ側のバッテリー推移グラフがこちらです。見事に54%でピタッと横ばいになっています……。

バッテリー残量54%で横ばいに頭打ちになった推移グラフ

まともに電流が流れて充電を実感させてくれていたのは最初の2時間くらいだけでした。最後の数時間は、スマホ側は「充電中」の雷マークを表示しているものの、残量数値はほとんど増えない状態。

これは「アルカリ乾電池の仕様」によるものです。

アルカリ乾電池は内部抵抗が高いため、スマホ充電のような大電流を流し続けると、電池の寿命が残っていても急激に電圧が降下します。BH-BZ40側はスマホに「通電しているよ」という微弱な信号を送り続けてはいるものの、スマホを充電するだけのパワー(電圧)がすでに残っていないわけですね。8時間かけてたった27%という結果を見る限り、やっぱり「普段の充電用」として使うには物足りない性能であることは間違いないでしょう。

充電量はほぼ公称どおり

本機の説明書は“EVOLTA NEO”を利用した場合における記載であり、今回のAmazonベーシックを利用した場合では個人的な環境における参考値であることは留意されたい。

で、アルカリ乾電池を用いた充電量は説明書によれば「1,200〜2,200mAh」とのこと。アルカリ乾電池1本は「2,500mAh」(1.5V)くらいの容量があるんですが、スマートフォンへの充電には1.5Vでは電圧が足りないので5Vに昇圧します。この時、電力のロスが発生して、実効はおよそ「750mAh」程度になるでしょう。

また、昇圧基板の熱や、先述の急激な電圧低下でもエネルギーロスは発生しているはずですから、実際にスマホに送り込める電力は1本あたりで500mAhくらいがせいぜいかと思います。ので、説明書の内容は妥当っぽい。

その上で、僕の利用する「GALAXY S26」のバッテリー容量は公称値4,300mAh。この数字の27%が1,161mAh。EVOLTA NEOの方が電圧低下を引き起こしにくい、と考えると、Amazonベーシックによる充電であれば「こんなもんかァ」といった感じ。

仮にこのアルカリ乾電池を使ってスマホを満充電しようと思ったら、単純計算で「5サイクル(単3電池20本)」が必要になる計算です。1回満充電するだけで、毎回20本もの電池を使い捨てる。これはコストもさることながら、環境負荷の観点からも、正気の沙汰ではありません。繰り返し使えるリチウムイオンやニッケル水素電池と比較すると、圧倒的に非エコ。
なので、コストや環境負荷の面からもアルカリ乾電池で「日常利用」は全くお勧めしません。まあ、幸いにも本機の充電スピードと使い勝手が普段使いには到底追いついていないので、「環境を破壊しながら毎日これで充電する」ことは限りなく選択しづらいので、あまり心配しなくてもいいんですが。

普段使いで直面する、少し不器用な「4つのデメリット・注意点」

充電速度の遅さ(最大5W)は織り込み済みでしたが、実際に使ってみると、使い勝手の面でもイマドキのモバイルバッテリーとは異なる「少し不器用な仕様」がいくつか見えてきました。

注意点①:自動給電なのに?説明書を読まないと勘違いする操作の罠

実はこの「BH-BZ40」、USBケーブルをスマホと本体に接続するだけで自動的に給電が開始される仕様になっています。普通のモバイルバッテリーと全く同じで、本来はボタン操作など一切不要なんです。

……が、僕は使うまで「乾電池式だし、何かしら開始ボタンを押さなきゃいけないのでは?」と思い込んでいました。

操作ボタンとLEDライト部分のクローズアップ

本体にはこれみよがしに「MODE」と書かれたボタンが鎮座しています。「よし、ケーブルを挿して、このMODEボタンを長押しすればいいんだな!」と力強く押し込み、画面に充電マークが出たのを見て満足していたのですが、これは完全な無駄骨でした。ボタンを全く触らなくても、挿すだけで勝手に充電は始まっています。僕のように「昭和〜平成の乾電池機器のノリ」で無駄に長押ししちゃう人、絶対にいると思うので気をつけてください。

注意点②:うっかり誤点灯は防げる?ライトは「2度押し」で点灯する仕様

また、この「MODE」ボタンは上部のLEDライトの点灯スイッチも兼ねています。

「カバンの中でボタンがうっかり押されて、昼間の暗闇(カバンの中)でライトが点きっぱなしになって電池を無駄に浪費するのでは……?」

という懸念がありましたが、そこはパナソニック、しっかり対策されていました。ライトをONにするには、MODEボタンを「2度押し(ダブルクリック)」する必要があります。

ただの短押しや長押しではライトは点灯しないため、カバンの中で荷物に圧迫されて誤点灯するリスクは極めて低いです。これは地味に嬉しい親切設計。

ちなみに、このLEDライトですが、本体の乾電池残量が完全にゼロ(LEDが高速点滅する状態)まで使い切ってしまうと、当然ながら点灯しなくなります。何を当たり前なことをっていう話なんですが、僅かにでも光ったら嬉しいと思う反面、光るくらいなら0.1%でもスマホに供給しろという思いもあり、人間は業が深いのだなと感じました。

注意点③:USB-Aであることも見逃せないポイント

昨今のスマホは大抵の場合でUSB-Cポートを利用する充電になっているでしょう。充電器側もUSB-Cケーブルしか挿せないものも多くなってきて、世の中はUSB-Cが遂に全国統一を果たす……と思われました。まだ、USB-Aがしぶとく生き残っていたのです。「BH-BZ40」 の中で!!ということで、この時代においてもUSB-Aを採用し、間違っても電流を受け取ることがないような仕組みなっています。なので、この機器にニッケル水素電池を充電する機能はありません。見た目はその手の充電器そっくりですけどね。

ただ、この製品に限ってはそこまでのデメリットではないと言えます。高性能な「A to Cのケーブル」はなかなかお手持ちではない可能性がありますが、この充電器の最大出力はわずか5Wです。おもちゃについてくるような細いケーブルでも十分に対応できちゃうくらいには低い出力なので、恐らく押し入れの中や引き出しの中に、使っていないケーブルが1本くらいあることでしょう。

注意点④:「乾電池式だから安心」を周囲にアピールできない葛藤

本機とスマホを接続した状態でカバンに入れておき、取り出さないのであれば問題はなさそうではあるものの、やっぱり移動中に少し触りたいタイミングはあるでしょう。その時にスマホのお尻からケーブルが伸びていたら?あら不思議、どう考えてもモバイルバッテリーが接続されていそう。

かと言って「あーあ、乾電池で充電するの遅いんだよな〜」などと呟きながら取り出すのも難しい。現代人は皆がノイズキャンセリングイヤフォンを耳から生やしているので、小さな肉声など第三者たる居合わせる人々には届かないのです。

もちろん、現時点において電車内でのモバイルバッテリー利用はあくまで自粛要請でしかありません。なので充電することに法的な問題が発生するわけではないのですが、あらゆる意味での自衛を考えると、やっぱり躊躇しちゃう。

リチウムイオンにはない、乾電池式充電器の「3つの絶対的アドバンテージ」

これだけデメリットや不器用さを並べると、「じゃあ買う価値ないじゃん」と思われてしまうかもしれません。でも、リチウムイオンバッテリーには絶対に真似できない、本機ならではの強力な強みが3つあります。

メリット①:発火・爆発リスク「物理的にほぼゼロ」という絶大な安心感

まず何と言っても、冒頭でも触れた「安全性の高さ」です。これが最大の購入動機であり、アドバンテージのひとつでもある。

リチウムイオンバッテリーは、内部の特性上、過充電や衝撃、あるいは夏の車内のような過酷な環境に置かれると、熱暴走を起こして発火・爆発するリスクがあります。真夏の太陽光の下で、カバンの中で充電しているのは割とリスクだったり。これが避けられるのであれば、このチープで激遅充電器をあえて使う理由にはなると個人的には思います。

本機はリチウムを一切含まず、ただ乾電池の電力をUSB出力に変換するだけの単純な構造です。カバンの中で熱を持つこともなければ、落とした衝撃でリュックが炎上することもない。この「物理的に爆発しようがない」という精神的な安寧は、日々のストレスを減らしてくれるわけです。

ただし、乾電池も発火リスクがゼロではありません。爆発リスクがない、というのは本機単体での話であるため、乾電池を本機へ装着した状態での取り扱いには十分に注意が必要です。それでも、リチウムイオンバッテリーよりは圧倒的ラフに使えるものと思いますが。

メリット②:飛行機の「受託手荷物(預け入れ)」制限をスルーできる旅の自由(を得られるかもしれない)

出張や旅行で飛行機によく乗る人なら、モバイルバッテリーの持ち込み制限のフットワークの悪さはよくご存知かと思います。

リチウムイオンバッテリーは、発火リスク防止のために「必ず機内持ち込み手荷物」にしなければならず、スーツケースなどの預け入れ荷物(受託手荷物)に入れることは厳重に禁止されています。保安検査場でいちいちカバンから取り出してトレーに並べるのも面倒ですし、うっかり預け入れ荷物に入れてしまって呼び出しを食らう、なんてトラブルもよくある話です。

ところが、乾電池式の「BH-BZ40」であれば、リチウムイオンバッテリーではないため、スーツケースに入れたままチェックインカウンターで預けてしまっても全く問題ありません。もちろん、使用する乾電池を中に入れたままでも大丈夫。

保安検査のあの長蛇の列で、カバンをごそごそと漁って重いバッテリーを取り出す必要がない。地味ですが、旅のパッキングや移動のストレスをスマートに解消してくれる、旅慣れた人ほど恩恵を感じるポイント……かもしれない。

海外はまた事象が異なると思いますが、日本の主要な旅行先であれば乾電池を取り扱う商店は大抵あるはずです。使わなければそれでいいし、必要となれば出先で乾電池を購入すればいい。

機内にはUSBがあることがほとんどでしょうから、こいつは手荷物である必要もない。スーツケースに入れておけば、緊急時の用意としては充分でしょう。

メリット③:10年放置しても確実に動作する「防災ローリングストック」との圧倒的親和性

そして、3つ目が「防災用」としての無類の強さです。

リチウムイオンバッテリーは、使わずに数年間放置しておくと、自己放電によっていざという時に空っぽになっていたり、最悪の場合は過放電でバッテリー自体が死んでしまい再充電すらできなくなったりします。「災害に備えて避難リュックにモバイルバッテリーを眠らせておく」というのは、実は定期的にメンテナンス(充電)をしないと機能しない、結構メンテナンスコストが高い防災方法なのです。

しかし、乾電池式の本機ならその心配はありません。本体にはバッテリーセルが入っていないため、自己放電で劣化する部品がないわけです。新品の乾電池(使用期限10年のものなど)と一緒に防災袋に入れておけば、10年後に被災して初めて袋から取り出したとしても、10年放置しても確実に動作する

さらに、普段から置き時計やリモコン用に常備(ローリングストック)している単3形乾電池と組み合わせれば、非常時に(理屈上)無限に使える充電インフラが手に入ります。乾電池さえ手に入ればいいのです。

あるいは充電器としてだけでなく、LEDライトとしても最低限の機能を有しています。白い光を放つだけではありますが、真っ暗闇を照らすには充分な光量です。ビニール袋でも被せておけば、間接照明くらいのランタンにはなるはず。EVOLTA NEOであれば連続点灯80時間らしいですから、バッテリーの使い方よりも”緊急用懐中電灯”として使った方がよいまである。

光量はスマホのLEDと同等か、ほんの少し大きいかなー?くらいです。所有するGALAXY S26のLEDと比べると少し光量が大きいように感じられ、より光が拡散しない印象ですね。かなり青白い光です。

【電気の話】エネループ(ニッケル水素)のほうが電圧が安定する

ちなみに、今回使用したのは格安のAmazonベーシック(アルカリ乾電池)でしたが、もしエネループなどの「ニッケル水素充電池」を使えば、後半の失速を克服できる可能性があります。

「ニッケル水素充電池は電圧1.2Vで、アルカリの1.5Vより出力が低い」んですが、本機は説明書でも用いることが可能であると謳われています。スタート時の電圧(無負荷時)は、アルカリ乾電池のほうが1.5V(4本で6V)と高く、ニッケル水素充電池は1.2V(4本で4.8V)と低いです。

しかし、スマホ充電のような「大電流を流し続ける(高負荷)」という状況下では、アルカリ乾電池は内部抵抗が高いため、大電流を流すると内部で急激に電圧がドロップし、まだ電気(容量)が残っているのに1本あたり1.1V以下まで一気に電圧が落ちてしまいます。

対して、ニッケル水素充電池は内部抵抗が極めて低いため、大電流を流し続けても電圧がほとんど下がらず、寿命の約80%の期間において「1.2Vをフラットに維持し続ける」という頑丈な放電特性を持っています。

エネループなどのニッケル水素充電池も使用可能

BH-BZ40は、入力された電圧をUSB出力用の5Vに「昇圧」してスマートフォンに給電しています。アルカリ乾電池だと負荷がかかった瞬間に電圧が急降下して昇圧回路の効率が落ち、結果的に後半は「スマホは充電中を検知しているのに全然%が増えない」という失速状態に陥ります。

一方で、最後まで1.2V(4本で4.8V)をキープし続けるニッケル水素充電池であれば、昇圧回路が安定して高い効率のまま動き続けることができるため、実質的にスマホへ効率よく電力を送り届けられるわけです。

(※なお、今回の検証ではAmazonベーシックのアルカリ乾電池を使用しましたが、ニッケル水素電池を使用した実測データについては、後日確認でき次第で追記予定。)

結び

というわけで、パナソニックの「BH-BZ40」のレビューでした。

充電スピードは驚くほど遅いですし、8時間かけて27%という結果は、現代の急速充電に慣れた体には少々厳しい現実です。都市部に住んでいてモバイルバッテリーを持ち歩かず、でも日常的にいつでもスマホを充電したいなら、カバンを重くするより駅やコンビニなどのレンタルバッテリーを使った方が100倍早くて快適だと思います。

ただ、日常の行動圏内にバッテリースポットが全くない地域に住んでいる人や、何が何でもリチウムイオンの持ち歩きを避けたい人にとっては、唯一無二の選択肢になります。

普段の使いやすさは求めず、災害時や「どうしてもあと1%、緊急連絡用に繋ぎたい」という時のための「お守り」としてカバンに忍ばせておく。そういう割り切った使い方であれば、とても良い相棒になってくれるのではないでしょうか。

私も、何かあった時の保険として、リュックの奥底にそっと眠らせておこうと思います。今回の記事はここまでです!

今回登場した商品

パナソニック 乾電池式モバイルバッテリー BH-BZ40K

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